RFIDタグ・ラベルに不良品が混じることで
起こることとその対策
最終更新日:2022.09.01RFIDタグ・ラベル
前提として、RFIDタグは高度な技術を用いて大量生産される工業製品であり、その要求される精密さから不良品(不適合品)が生じることは避けられません。
RFIDタグベンダーから納入されたRFIDタグに不良品(不適合品)が含まれることで、RFIDタグユーザ側では何が起こるのか、そして生じる問題をどのように解決していくのかについてお話します。
目次
RFIDタグが読み取れないことで起こること
RFIDの活用法としては、小売店舗における商品管理、物流における入出庫・在庫管理、工場における業務効率化やトレーサビリティ、セキュリティなどが挙げられます。
これらのユースケースにおいてRFIDタグが読み取れないと、次のような問題が生じるでしょう。
倉庫へ物品を入庫する際に、入荷受付ができない
例えばRFIDを用いて倉庫への入荷数の管理を行なう際、読み取りができないタグが存在するとその製品情報をシステムに登録することができないことになります。
レジで精算する際に、在庫管理システムで引き当てが行なわれない
アパレルなど小売店舗においてRFIDの活用が盛んです。
近年は無人のセルフレジにRFIDの一括読み取りを利用する事例も話題になりました。
導入支援ベンダーによる運用回避策の工夫が随所に
これらの問題の対応策として、システムへの入力や照会を行なう代替手段を用意します。
RFIDタグに従来型の二次元コードを並記したり、IDナンバーを個別に印字することで手動で例外対応ができるよう配慮することで、RFIDの利便性や価値を享受しながら、万一RFIDタグが読み取れない場合でも対応できるよう、代替手段を確保します。
また、セルフレジのようなアプリケーションでは、トラブルが生じるとお客様の手で自己解決することは難しいため、店員が対応することで解決する方策が採られます。その際例外対応後、顧客応対が落ち着いた後に手作業でシステムに入力するなど、運用で回避する方策を用意します。
RFIDタグが動作しないケースをカバーするためにこのような運用対応策が採られますが、例外対応には現場のオペレーション負荷もあり、少ないに越したことはありません。
それには、タグ自体の不適合を効果的に検出する仕組みが必要です。
RFIDタグの個体差問題
明らかに通信できないタグは、タグベンダーの検査によって取り除かれているかマーキングされていることがほとんどと思います。そのため現場で問題になるのは読み取り率の低いタグということになります。
RFIDタグは個体差により性能が異なり、他のタグでは読み取れている距離であっても読み取れないということが生じます。そこで、RFIDタグ・ラベルの専用検査装置を用います。
RFIDタグの検査装置とは?
RFIDタグ・ラベルの検査では、周波数帯毎の受信感度を検査します。
現場環境で動作が確認できている標準的なRFIDタグと比較し、特に感度の低い周波数帯がないか全数検査します。
下記が実際の検査装置でいくつものRFIDタグを検査し、周波数毎の伝送強度を比較したグラフです。
Tagsurance® UHFによる多数タグの比較。閾値を下回るタグを検出できる。
グラフの1本1本が単一のRFIDです。
同じベンダーの同じロットのRFIDタグであっても、個体差により特性が異なります。
Tagsurance® UHFによる読み取り/書き込みテスト。
指定したワード長で選択したメモリに対し実行。
テストを実行するとデータがログファイルに書込まれます。
各タグについて視覚的に確認することも可能です。
このように読み取りだけではなく、書き込みもテストを行ないます。
さらに、テスト後にエンコードの実行まで行なうことも可能です。
つまり、エンコードサービスに用いるリーダライターに高性能・高機能の検査が行える上位互換と言えます。
まとめ
RFIDタグの不適合問題は、運用の仕組みと検査装置で対応を
RFIDタグ・ラベルに一定数の不良品や性能のバラツキにより結果的に利用現場で不適合となるタグが一部含まれます。それには導入現場での創意工夫と合わせ、利用現場での例外対応負荷を減らすために専用のRFIDタグ・ラベルの性能検査装置を使いましょう。
また、RFIDリーダライターでの簡易な検査では検出できない大きな問題が存在します。
詳しくは下記ページを参照してください。
RFIDタグ検査装置(タグ・ラベル生産時の品質管理用/ユーザ受入検査用)
生産管理用RFID性能検査(品質測定)装置
Tagsurance® UHF/HF
RFIDタグの性能検査装置です。
生産時や受入時のタグの品質を検査します。
UHF帯に対応した製品と、HF帯に対応した製品があります。
生産管理用RFIDタグ・ラベルの検査をRoll to Rollで
Reelsurance™
RFIDタグ・ラベルをRoll to Rollで検査します。
当装置は多機能であり、性能検査はもちろんエンコードも同時に行なうことが可能です。
UHF/HF/NFCに対応。
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